死ネタ。グロいかも

























気の合う友人と共に過ごしたい、ただそれだけのことだ。
それなのに周りは、こんなことはやめろだの、意味がないだのと喧しい。

――俺はただ、あの時の約束を。






今日の俺様説得担当は宍戸らしい。 いつもいつもご苦労なことだ。
菓子のひとつでも出してやろうかとわざわざソファを立ってやったというのに、こともあろうに宍戸は俺の肩に掴みかかってきた。
挨拶もろくにせず、失礼な奴め。



「跡部、頼むからもうやめてくれ」
何をだよ。

「樺地のことに決まってんだろ!…なんで、こんな、」
樺地がどうした。

「…分かってんだろ?本当は」
だから何がだ。

「樺地は、もう、」
ああ、樺地はもう笑わない。温かくない。動かない。
…それがどうかしたか?

「……それが分かっててなんで」
樺地が、俺と一緒に居ると誓ったんだ。
俺も樺地と居たい。
だからこうしてるまでだ。

「……てめぇ!!」
宍戸の拳が頬にめり込む。
いきなり何のつもりだ。
血の味がする。

「いい加減現実見ろよ!!」
現実なら見えてるさ。
樺地はこの液体に浸けていないと腐ってなくなる。
俺のやるべき仕事は一つと残さずこなしているし、お前は一体何が不満なんだ?
そんなに息を切らして。
――涙まで流して。

「こんなこと、樺地が望むと思ってんのか」
さっき言ったじゃねえか、樺地は俺と居ることを望んだんだ。

「それは昔の話だろ!?樺地は、もう、……死んだんだ」




それがどうした?




話にならねえ。
泣き崩れる宍戸を引き剥がし、部屋の隅にある容器に近寄る。
大きな水槽のようなその中に佇む彼に、微笑みかける。


俺よりずっと若いままの彼に。






























現実を受け入れた上で病んでる、ってどうしようもない。
宍戸と鳳あたりが十年くらいずっと跡部を説得している感じで。
(忍足と滝はそっとしておく派、ジローや日吉、岳人は樺地の姿をを見ると泣きそうで来れない。)

2012.3.24