毎年この日は嬉しくもあり辛くもある。

明けましておめでとう、という言葉を交わしたのは家族を除けば今年初めてだ。
この寒いうえに人の多い時間に、それでもやっぱりわざわざ、俺はこいつと初詣に行く。

去年は用事があるとかで初めて断られた。
それはもう死ぬかと思うくらいに、気が狂うかというくらいに不安な年明けになった。
…きっとこいつは知るよしもないんだろうが。

来年もこうして二人で来れるのだろうか。
特に今年は俺が進学する年だ。
それを乗り越えられたとしてもまた三年後、更に四年後。
あまりにも先が見えなくて怖くなる今日が大嫌いで。
ずっと前に来た時には何も考えず手を繋いで歩いていたのに、今は二人してポケットに両手を突っ込んで。

それでも、
「耳、赤い…です」
とか言いながら、だせぇ帽子を耳まで被せてくれる今日が、やっぱり嬉しくて。

祈ることは毎年ただひとつだけ。


















2008.1.1